上司から集計表づくりを指示されるたびに疲れ果てている方がたくさんおられます。
EXCELを使えない人は「あれ別に」「これ別に」などと、思い浮かぶたびに集計表が欲しくてたまらなくなるようで、このパターンはどの会社でも繰り返されており、一種の「依頼の法則」とも言えそうです。
うんざりする気持ちはわかりますが、ここで今までにないサービス精神(イタズラ心)も働かせて「できない上司の救済」を仕掛けて見ましょう。
↓ 簡単動画からご覧ください。
合計がないじゃないか
「売上げ一覧表」の作成を指示されて、左のような表を提出したとき必ず返って来るのは「合計がないっ!作り直し!」という再指示。で、右のように表の末端に「合計欄」を設けることになります。

小計も欲しい
これだけの入力作業をして、わかった結果は「合計」ひとつ、作らされた側も「無駄な作業を‥!」と思っているところへ必ず来る再依頼が「小計も欲しい」
そこでこんな表ができてしまいます、よく見ますよね。
ここからが危険
「こんな簡単に集計ができるんだったら『取引先別』『商品別』も知りたい!」さらに「仕入先別の月別」や「商品別の月別」などと、要求はエスカレート、「社内下請け」のような非効率な行為が定着し、さらに依頼主と下請けの関係悪化が始まってしまいます。

次の依頼が楽しみになる仕掛け
最初に提出して「合計がないじゃないか」と注文が付く表には、先々を見越した「罠」を仕込んでおきましょう。ワナと言っても善意の罠です。
たとえば次の表のように見やすい位置に「合計」が配置されており、数式はなぜか =SUBOTAL になっています。→ SUBTOTAL関数の解説
「なんとか別」が欲しいと言われた段階で
「取引先別の集計が欲しい」と言われた段階ではじめて「オートフィルター」を取り付けて提出、余計な説明をせず「取引先」の絞り込み方だけを説明します。EXCELが苦手でも ▼ マーク を押せば絞り込めるんだ、と気付くはずなので、次にやりたいことに関しては「依頼」「指示」ではなく「質問」に変わって行くはずです。

社内下請けから風土改革へ
「依頼」「指示」を「質問」に変えることは社内の風土改革につながります。同じ社の社員でありながら「依頼」が許され「下請け」が発生するということは社にとって大きなマイナスです。
注意すべきは、わけのわかっていない依頼主へ最初から「フィルター付き完成形」を渡さないことです。「こんなもの頼んでいない!」と拒否される恐れがあるためです。EXCELのわからない年配者にとって、EXCELの便利機能は「想定外」の世界なのです。
でも「自分の要望」にひとつづつ答えてくれるための便利機能は自然と受け入れることができます。ここが大きな分かれ道となります。
どうかEXCEL(パソコン)ができない上司とじょうずにお付き合いください。