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[EXCEL][ブログ]EXCELの雑用はなぜ発生するのか?

パソコンとはパーソナル(個人の)コンピュータ、大きな費用をかけたシステムとは正反対の存在に思えるのですが、なぜ共存しているのでしょうか?

1人1台パソコンが配置されているオフィスとは、大きな費用をかけて導入したシステムがあるのに、末端まで届かない未解決部分が残ってしまい、人間がシステムに代わって補完作業をしている、と言うことができます。そしてこの補完作業は基幹システムには付き物となっており、人は雑用であるはずの補完作業をなぜか優先的に、完璧にこなそうとします。本来の仕事へ入る前に、まずは雑用を片付けよう! と がんばるのです。

そしてシステムの尻ぬぐいをしているだけなのに「標準化ができていないっ」と指摘を受けてしまうのも業務現場の「人間」です。

システム系雑用の実情

いままで企業サポートにお伺いする中で、多くの集計被害者の方に出会いました。標準システムメニューでサポートされていないレポートを、あちこちからデータを集めてきて一表にまとめる作業、システム登録に必要な情報を他システムや、自作の計画書から抽出して一表にまとめる作業が多いようです。

決して集計担当として配属されているわけではなく、エクセル等の作表やパソコン作業に長けているために、本業と兼業の形で引き受けておられるケースが非常に多いようで、予想通り、本業を後回しにして、この集計作業を片付けようとがんばります。

基幹システムの未解決部分

大きな費用をかけて導入したシステムがあるのに、末端まで届かない未解決部分が残ってしまうのはなぜでしょうか?

今回導入する新システムは、世界でシェアの高いパッケージなので過去失敗したような、業務にシステムを合わせるのではなく、今回こそ、いったん今までの業務処理手法を捨て去りシステムに業務を合わせて、一気に効率化を実現してほしい。

導入時の意気込みはどこへ行ったのか?システムを導入しただけで、業務が自動的に標準化する、などという都合の良い現象は聞いたためしがありません。パッケージソフトが想定している標準に合わそうとすれば、個人の業務レベルが落ちて、効率が下がり、これをカバーするために人員増を余儀なくされます。シェアの高い標準システムという意味は、提供側から見ての「標準」であって、どこの会社にでも当てはまる部分、という意味なのかもしれません。

システム提供側が想定する「標準」と、業務現場が求める「標準」には大きな乖離が存在するようです。このことが経験上なんとなくわかっている業務現場も、システムには大きな期待をせず、最終的に必要なものは自前で何とかするといった「あきらめの分業体制」のようなものができあがり、それを支えるために仕方なく個人へパソコンを配布しているのだ、と言えるのかもしれません。

IT化は手段であり目的ではない

IT導入自体は目的とはなり得ません。時間のかかっていた既存業務を高速かつ短時間で片付けることは単なる効率化であって、業務自体の改革にはなりません。

パソコンが職場の必須備品となる以前、議事録や報告書がまだ手書きであった時代は、活字文書を作れるスタッフは鼻高々でした。ワープロをブラインドタッチで華麗に操作し、ことさらに音を出して大量の文書を活字化していましたが、いくら高速であってもその活字化作業自体からなにか今迄では考えられなかったアイデアや、思いがけない利益を生み出す事はありませんでした。

パソコンを使えば、確かに作業効率は向上し、今までよりたくさんの作業をこなすことができるようになりますが、ただ単に短時間で大量にこなすことが職場の最終目的ではないはずです。

既存業務を削減し、さらに消滅させるということは、人間が既存業務から解放され、新しい可能性に挑戦できる、という意味であり、そのためにITを利用する。ITで自動化する、とは雑用からの解放を意味します。しかし「人を活かす」という意味では、未だシステム化は完全ではなく、システムと人間が共存し、作業を分け合っているのが現状です。

属人化排除と標準化

システム提供側が想定する「標準」と、業務現場が求める「標準」には大きな乖離が存在する中で、「属人化」という意味を見誤ることがあります。

システム導入方針として、業務が特定の人間に付いていることはリスクである。今期のシステム導入にあたり、会社に大きな損害を与える恐れのある属人化を排除して業務の標準化を目指さないといけない、というような内容はよく耳にします。

今までEXCELでなんとかシステムの後始末をしてきた人たちへ「あなたしか解らないようなツールを勝手に配布しないでほしい。もしあなたが病気になったり退社した場合、業務が止まってしまうのですよ!これを「属人化」「ブラックボックス」と呼ぶのですよ、と突然あたかも「標準化」を阻害する妨害者のような扱いを受けた、との嘆きを聞く事があります。

効率化を阻害するマイナス思考

エクセルを活用する現場環境は、なかなか整備されませんね、EXCEL屋利用者の方からは常に「属人化疑惑」「属人化汚名」とも呼べるご相談をいただいています。

システム運用において、属人化、ブラックボックス化は悪だ、とよく耳にします。システムとは言えない業務現場のパソコン運用も同じく、いくら効率が良くても属人化はダメだ、誰でもわかる手法でないとリスクとなる、のだそうです。特定の人間しか理解できない、その人の創意工夫で造り上げた手法で動く特別な処理方法、を嫌っての考え方であると思います。

しかし、なぜ特定の人間が創意工夫をすることになるのか?原因は何か?反省が必要です。

なら、どうするか?当然ながら、業務部署のかんたんな要望もすべて外注するしか方法はありません。その結果、基幹システムにカスタマイズ(追加改修)が繰り返され、標準化とは程遠いものに変形し続けて行きます。

その仕様は、カスタマイズを開発担当した業者側の人間しかわからない、という「社外属人化」 が出来上がってしまいます。社内の属人化よりやっかいですね。

属人化は現場力とも言う

もしシステム部署内に「属人化」と非難される人間が居たとすれば、今どきの業者まる投げ以外にやることがなくなったシステム部署で、属人化と非難されるほどの仕事をやってのける人材は貴重である、と考えるべきです。誰にも理解できないが、専門家なら理解できるから 属人化ではありません。

外注すれば費用がかかることを月給の中でやってくれているだけなので、むしろ感謝しなければいけないし、会社を辞めてエンジニアとしてやっていけるスキルを持っていながら、我が社に貢献してくれていることにも感謝しなければなりません。

次に業務部署内に「属人化」と非難される人間が居た場合ですが、パソコンが絡まない一般業務の創意工夫なら「現場力」と評価されるのに、パソコンがらみの創意工夫となると、突然 属人化 という言葉で非難されます。この境界線は何でしょうか?

創意工夫のレベルとは、上司~経営陣、会社の創意工夫レベルを指しているのかも知れません。オレの理解できる範囲でよくがんばっているな、オレの理解を超えるようないらん事はしなくてよい、という勝手な境界線を作っている、ということになります。

パソコンの創意工夫も貴重な「現場力」です!現場力とは人の力だから属人化は歓迎すべきであって、有意義なものまで「属人化」と排除する人間の教育を優先すべきです。境界線を取り払うためにむしろ会社主導でパソコンのスキルアップの教育を進める事が必要です。

システム発注者は利用者ではない

システムの設計・発注はシステム部署が責任部署であるのが一般的ですが、利用部署が全く設計に関与しないということが常識のようになりつつあることに危機を感じます。

最近、この利用部署が「設計に関与しない」ことが、現場業務の効率化の足を引っ張って悪循環を引き起こしているようです。

ひと昔前のシステムは、導入時には標準仕様では使いものにならないことを承知のうえで一旦導入して、運用しながら利用者側の要望を聞きつつ機能を追加するような後追い方式でなんとかやって行けた、その当時の導入スタイルを変えようとしないというケースにも出会うことがあります。

後追いでも、その当時は利用者にとっては、曲りなりにも言えばやってくれるシステム部署は便利な存在でした。

しかし今は価格競争の時代、クラウド、パッケージ化等、環境は劇変しています。加えて、システム部署の能力低化、業務現場との疎遠化が原因で、システムは丸投げ発注となってしまい、導入後のケアまでが丸投げ状態となっています。業務現場が、設計に関与できる機会は構造的に無くなっています。

効率化が進まない事情

利用者が頼りにしている自社のシステム部署が、次第にシステム設計とも疎遠、業務とも疎遠、予算だけを管理する単なる発注窓口になっている場合が多くなってきました。

業務部署が不便と感じている事が、早く正しく伝わらない、という状態が続くと、職場の効率化を進めようとしても、ついに現場が本音を言わなくなってしまいます。

システム部署がコミュニケーション力を持っていた時代は、要望が通らない時には一歩も下がらなかった業務現場が、最近では早く諦めてしまう傾向が見られます。これが最近私が特に経営層の方に伝えたいと感じている、危険な現象です。

経営者はシステムに業務を合わせると言った極論はいったん捨てて、業務現場へ入って実際に困っている姿を自分の目で確認し、個別業務を救済するためにはどうすれば良いのか、について訓練を重ねることが必要です。

業務の標準化、属人化排除、システムに業務を合わせる・・・といった呪文のような合言葉を誰から吹き込まれたのか?もういちど思い出してみて下さい。

組織変更して掛け声だけ、丸投げでは効率化はうまく行かない時代です。

システム購入=IT化=効率化=救済 ではありません。

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