IFは「分かれ道」に似ています。何ごとも理由があって左右どちらかへ分岐します。「IF関数」の使い方よりも「IFとは分かれ道」というイメージさえ持っていれば、業務改善に結びついた活用ができるようになるはずです。
分かれ道は「右か左」だけではありません、実際には三叉路も四つ角もあるはずです。
「真か偽」2者択一の IF関数 で3者択一を表わすには、まず「1かそれ以外」「それ以外のうち2か3」といった「入れ子」にせざるを得ませんでした。
EXCEL2019 からは IFS関数 が追加され、複数の条件でも「入れ子」ではなく一元的に表現でき、わかりやすくなりました。
↓ 簡単動画からご覧ください。
論理式って何?それを早く言ってよ!
AND関数とは?スッキリ理解
OR関数とは?スッキリ理解
等しいかどうか「=」で比較IF関数(1)
等しくないかどうか「<>」で比較IF関数(2)
より大きいか「>」で比較IF関数(3)
より小さいか「<」で比較IF関数(4)
以上であるかどうか「>=」で比較IF関数(5)
以下であるかどうか「<=」で比較IF関数(6)
女性なら割引価格を表示させたい時IF関数(7)
2種類の割引を1つの式で判断するIF関数(8)
分かれ道を表すIF関数(9)
今まで苦労した「入れ子」方式とは
例
IF(論理式,IF(論理式,真の場合,偽の場合),偽の場合)
IF(論理式,真の場合,IF(論理式,真の場合,偽の場合))
のように、「真の場合」の部分や「偽の場合」の部分へ次の質問としてIF式を入れることを「入れ子」と呼ばれています。

IF(質問,YESの質問,NOの質問)
YESなら「次の質問」を用意して、さらに「YES」「NO」に結果を分岐させることができます。NOのばあいも同様です。
同じような構造体を2重3重に持つ、という意味で「入れ子」と言ったり、IT用語が好きな方は「ネスト」と言ったりしますが、いっそ「マトリョーシカ」のほうがわかりやすいかもしれませんね。
複数の条件を扱えるIFS関数
IFS(論理式,真の場合,…)
論理式の結果に応じて指定された値を返します。
(論理式,値のセットは最大127)
わかりやすく表現すれば

IFS(質問1,YESなら,質問2,YESなら,質問3,YESなら,…)
最後の質問まで Yes がない場合は「エラー」を返すことになりますから注意が必要です。
IF関数とIFS関数で 〇 △ × の判定
①と②は同じ内容を IF関数 と IFS関数 で表した例です。(80点以上=〇、70点以上=△、70点未満=×)
①IF関数で2段階以上の判定をしようとすると「入れ子」にせざるを得ず、わかりにくい式となってしまいます。
②IFS関数の場合は条件式を並べるだけで、わかりやすくなります。
③IFS関数で注意が必要なのは、すべての条件にあてはまらない場合「エラー」となる点です。起こり得るすべての条件を含めておくことが必要です。

(参考)条件式で使える演算子
対極の演算子と組み合わせて見ると、理解が進みます。
演算子 | 名称 | 意味 | 対極は |
---|---|---|---|
= | 等しい | 等しい場合「真」の処理 | <> |
<> | 等しくない | 等しくない場合「真」の処理 | = |
> | 大きい | より大きい場合「真」の処理 | <= |
< | 小さい | より小さい場合「真」の処理 | >= |
>= | 以上 | 自身を含む以上の場合「真」の処理 | < |
<= | 以下 | 自身を含む以下の場合「真」の処理 | > |