既存のエクセルブックの数式を改良したり、エラー原因を調査することはよくありますが、目視に頼ることで思いがけず時間を掛けてしまった、という経験はありませんか?
エクセルは誰でも自由に開発ができるところが大きな魅力なのですが、反面「設計図」なしにどんどん追加変更をくり返せるため、他人の作ったブックどころか自ら開発したものでも「解読」に手間取ることがあります。
かと言って時間を掛けて「設計図」などいちいち起こしていては業務のスピードについて行くことはできません。
そこでエクセルには設計図の代わりに、計算式が参照しているセルを示す「参照元のトレース」と、セルのデータがどの計算式で使われているのかを示す「参照先のトレース」という、参照関係を矢印で指し示してくれるトレース機能が用意されています。
開発済みブックを改修する機会の多い方は、使い慣れると作業がぐんと手際よくなりますので押さえておきましょう。
↓ 簡単動画からご覧ください。
セル間の関連を矢印で示すトレース機能とは
数式がシート内の連携、シート間でも連携されている例で解説いたします。
参照先のトレース
選択中のセルがどこへ影響を与えているかを矢印で示します。
①調べたいセルを選択して
②「数式」タブ「参照先のトレース」をクリックします。
③「月度計」のセルB5に向かって青線が表示されました。
参照元のトレース
選択中のセルがどこから影響を受けているかを矢印で示します。
①調べたいセルを選択して
②「数式」タブ「参照元のトレース」をクリックします。
③合計の元データセルB2からスタートした青線が表示されました。
シートをまたがる場合
別シートを示す場合は黒の破線を表示します。
①黒い破線上をダブルクリックすると「ジャンプ」ダイアログが現れます。
②移動先セルを選択して「OK」すると
③他シートの「参照元」セルへジャンプしました。
計算結果がエラー表示されている場合
複数シートを参照している場合等のエラー原因調査に活用できます。
①黒い破線上をダブルクリックすると「ジャンプ」ダイアログが現れます。
②移動先セルを選択して「OK」すると
③「4月」のシートが存在しないため「参照が正しくありません。」とのメッセージが出ました。