端数処理の方法には関数を使った「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」と、もうひとつ「表示形式」の4種類が存在しますが「意図」を持って使い分けておられますか?
集計結果の小数点以下の表示が溢れるから、という理由だけで「表示形式」だけに頼っているのも不安なので、端数処理の方法と内容を整理したいとモヤモヤしておられる方のために「一覧形式」でスッキリできる解説をさせていただきます。
↓ 簡単動画からご覧ください。
関数を使った端数処理
ROUND は「丸める」という意味でわかりやすいのですが、ROUNDUP「切り上げ」、ROUNDDOWN「切り捨て」との使い分けや、「桁数」という少しわかりにくい引数があったりしますが、一覧比較すればわかりやすいと思います。
ROUND「四捨五入」
ROUND(数値,桁数)の数値=34.56、桁数= 1, 0, -1 を表にしました。
①桁数= 1 の場合、小数第2位を四捨五入して 34.6 となります。
②桁数= 0 の場合、少数以下を四捨五入して 35 となります。
③桁数= -1 の場合、整数1桁めを四捨五入して 30 となります。

「桁数」はどの桁まで求めるか?を表わします

ROUNDUP「切り上げ」
ROUNDUP(数値,桁数)の数値=34.56、桁数= 1, 0, -1 を表に追加しました。
①桁数= 1 の場合、小数第2位を切り上げて 34.6 となります。
②桁数= 0 の場合、少数以下を切り上げて 35 となります。
③桁数= -1 の場合、整数1桁めを切り上げて 40 となります。

ROUNDUP「切り捨て」
ROUNDDOWN(数値,桁数)の数値=34.56、桁数= 1, 0, -1 を表に追加しました。
①桁数= 1 の場合、小数第2位を切り捨てて 34.5 となります。
②桁数= 0 の場合、少数以下を切り捨てて 34 となります。
③桁数= -1 の場合、整数1桁めを切り捨てて 30 となります。

表示形式による端数処理
①元の値 34.56 が「表示形式」により 34.6 と四捨五入されています‥?
②「ホーム」タブ「小数点以下の表示桁数を減らす」ボタンで「四捨五入」したのですが
③「数式バー」を確認すると、セルの数値自体は 34.56 のままで、見た目だけが四捨五入されて表示されていたのです。

「表示形式」を使った「四捨五入」は厳密には「端数処理」ではなく、「見た目処理」に過ぎません。特に納品明細、請求書等、支払いに関わるものは表示形式に任せておくのではなく、端数処理をしましょう。