いつも使っているエクセルシート上に「送信」「集計」ボタンを取り付けたら、こんな便利になった!という事例です。
チェーンストアの場合、本部スタッフが日々やりとりしている相手は各店舗の担当者であり、情報交換の方法は統一されていないのが普通です。なぜ方法が統一されていないかというと、商品管理単位である「部門」毎に管理サイクルや管理手法がちがうからです。
ご紹介するチェーンストアは、店舗数が100店舗、従業員2万名、商品管理単位である「部門」数が100部門なので、100部門✕100店舗=1万本の情報交換がそれぞれの都合、それぞれの手法で行われていました。実際にはここに人事や経理など、管理部署も加わりますので、情報交換の網の目はもっと細かくなるはずです。
チェーンストアの場合、情報交換の網の目が細かくなることで被害を被るのは間違いなく店舗です。100本以上の報告ルートから期限付きで報告を求められるわけです。さらに報告しても集計しきれない量のため、結果のフィードバックもされない「報告のための報告」に終わってしまうことが多いのです。
今回ご紹介するエクセルを使った改革事例も、「働き方改革」の一環として人事が行ったものですが、改善前の「報告のためのエクセル報告書」が「送信・集計」機能を追加することで著しい効果を上げました。
改善前の「サービス残業実態調査」
図は「就労管理の進捗と課題報告」と名付けた報告書で、店長が人事部長へ毎月、残業の実態と対策等を報告するという形をとっています。
まさに「報告のためのエクセル報告書」で、毎月空の報告ファイルがメール添付で送られて来ました。報告側も適当に書いて締切りまでに提出しとけば済む形式的な報告書だったのかも知れません。
改善後のエクセル報告書
「送信」「集計」機能
エクセルフォームの仕様、見た目にはいっさい手を加えず、右上に「送信」「集計」ボタンを取り付けた結果、本部(人事)側と店舗側共に大きな効果がありました。
①本部(人事)は「集計」を押すだけで全報告が一覧できるという集計の自動化ができました。
②店舗はエクセル画面上に入力後「送信」するだけで報告できる、といった操作上の改善以上に、「集計」ボタンを押せば他店の状況をも共有できることになりました。
情報共有の効果
改善前の1対1型報告では、人事が集計結果を公開しない限り店舗は他店状況を知ることができません。一方通行の報告に終わっていたものが、「集計」ボタンの開放によって、自分の意思で他店状況を知る事ができる、さらにこの利便性が2次的効果として全社の課題解決に参加する姿勢を生み出してくれました。
情報共有の効果はインターネットだけのものではありません。会社組織ではもっと密度の濃い現実味を持った共有が可能となり、全社の知恵を最大限生かす手段となり得ます。
専門知識は不要、まずは見るだけ!
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